「山下が俺のことを好きなのは知ってた」





祐也は私の目の前にしゃがみ、私と同じ目線で話す。


逃げ出してもいいかと思ったが、真剣な表情をして語る祐也を見るとどうしてもできなかった。


私には聞く義務があるんじゃないかと思ってしまった。


実際、そんなものないのかもしれないけれど。





「最近彩子と会えなくて、寂しかった。バイト減らそうかと思った」





祐也の家は兄弟が多いらしく、家計が厳しいみたいで、皆バイトをしているらしい。





「そうやって悩んでるときに、山下が一緒に帰ろうって来たんだ」





一緒に帰ろうってことは、部活帰り。



夏休みはほとんど部活あるって言ってたし。





「もちろん断ったよ。俺は彩子が好きだし、山下が俺に、その……好意を持ってたことは気づいてたし」





最後の辺りの声が小さくなったのは、私に知られたくなかったか。言いたくなかったことなんだろう。