「え……」
この甘い声は知ってる。
「やっぱり、彩子だ」
「……祐也」
嘘、なんでここに。
顔を上げると、やはり祐也。
っていうかその格好、バイト?
ここのバイトもしてたの!?
呆然とする私に祐也も、私がここにいることに驚いているようだった。
「えと、今日来れない友達に変わってバイトしたんだけど……」
「……」
私は俯いたまま。
なにも話さない。
「……彩子、こいつ」
ふと声色が変わったので祐也のほうを見てみると、物凄い形相で睨んでいる顔が目に入った。
視線をたどると、そこにいたのは公平さん。
「お前、なんでこんなとこにいんだよ」
「え、なに。彩子ちゃんの元カレって祐也?」
公平さんは口元をひきつらせながら私と祐也を交互に指差す。
「公平さん、知り合いですか?」
「いや知り合いもなにも……」
目を泳がせる公平さんに私は首を傾げる。
「彩子っ、こいつと付き合ってんのか!?」
公平さんを指しながら聞く祐也に、私はプイッと顔を背ける。
「なによ、あんたに関係ないでしょ」
顔を見ると、あのときの光景が目に浮かぶ。
山下と深いキスをしていたあの祐也。
「彩子っ!!」
「うるさい!!なによ、勝手に浮気しておきながら!」
「だから聞いて!彩子っ」
祐也と別れた帰り道私は着信拒否をしていた。
だから祐也とのやりとりはあの日以来だ。



