「じゃあ、あの普通の浮気なんですけど」
「……もしかして、彩子ちゃん浮気されたの?」
「……まあ」
あんまり言いたくないけど。
話の流れからして、公平さんは読み取ったみたい。
「へえー、彩子ちゃんみたいな可愛い子がいながら浮気なんて、度胸あるねえ」
「そんなことないです」
店員さんがウーロン茶を持ってきてくれた。
「私、浮気されたことって経験上なかったので……。どうして浮気なんかしたのかと思って」
ウーロン茶を飲みながら、聞いてみる。
私の周りには相談してもロクな返事をしない男ばかりだから、公平さんは唯一無二。
会ったばかりなのに変か。
「うーん、人それぞれだからねえ」
腕組みして考えてくれる。
「本人に聞くのが一番なんだけど...」
「気まずいです」
「普通は、彼女よりも好きな人ができた、だよね」
そうだよね、それが一番だよね、
はあ。
山下は私より可愛いから、祐也じゃなくても乗り換えるよね。
「あとは、刺激がほしいとか。彼女の気を引こうとしたとか」
気を引く。
……どうなんだろう。
そっちだったら嬉しいけど。
いや、そんなに嬉しくないけど!
浮気はやっぱり浮気だし!
......なんか私ダメだ。
最初は冷めたかと思ったのに。
ものすごい未練タラタラじゃないか。
俯いていると、声が聞こえた。
「彩子?」



