スイーツ男子、佐藤くん

そんな私を支えたのは佐藤くんだった。今、私は、佐藤くんの腕の中にいる。思わず身体が熱くなる。ううん、熱いのはきっと、夏のせいだよね。

「…サチちゃん、覚えてないだろうけどガラスで足、怪我してるんだよね。」

耳元で佐藤くんがら囁く。
なんだかくすぐったい。

「足はもう痛くなくなるだろうけど、明日からの仕事は海の家の中での注文担当だよ。」

「…そっか。って、あの!く、くすぐったい…。」

「え、ダメ?」

「や、やめてよぉ…。」

そう言うと佐藤くんはパッと離してくれた。意外とあっさり。…もうちょっとそのままでも良かったかも…なんて、うそうそ!私、何考えてるんだろう。