あの人、きっとサチちゃんが好きなんだと思う。
いや、まだまだ仮説の話だから分からないけれど、なんだかサチちゃんを見る目が違った気がする。

サチちゃん、栗山先輩のこと好きなのかな。

一気に不安になってしまった。
もしかしたら、でも、そうなのかもしれない。栗山先輩は確かに仏頂面で、あんまり笑わないけれど、頼り甲斐があるし…。

僕じゃ、ダメなのかな。

あぁもう、どんどんネガティブになる。

「…なんかもう、嫌だ…。」

いつの間にか隣にすり寄って来ていたマカちゃんをぎゅうう、と抱きしめる。

マカちゃんじゃなくて、サチちゃんを抱きしめたいよ。