「やっべえ、今の俺ほんとやべえ。俺の時代来てる。テストいけるわ。」
伊織くんはいつの間にか付けていた「増子先輩命」という鉢巻を付けて叫んでいる。伊織くん、顔はいいのにそんなことするから…と思っていると佐藤くんも同じことを考えていたらしく、なんとも言えない顔をしていた。分かるよ、それ。
「はい、休憩ね。今日はパンナコッタだよ。」
「おっ、けーちゃんありがと!いやぁ、勉強は楽しいねぇ!」
「伊織くんからそんな言葉が聞けるとは思ってなかったよ…。」
意気揚々としながら勉強している伊織くんは別人のようだった。私も頑張らなきゃ、赤点が危ないかも…。
ほのぼのとパンナコッタを食べていると、調理室の扉が開いた。お客さん?
「慶太!匿ってくれないかしら!」
「さ、佐藤先輩!?」
風にように飛び込んで来たのは佐藤先輩だった。彼女には似つかわしくない汗が首筋を辿っている。
「姉さんどうしたの…。やらかしたの?」
「進路相談から逃げているの。ちょっと隠れさせてちょうだいね。」
先輩はそう言うと、佐藤くんからベランダの鍵をひったくり、ベランダへと駆け込んだ。
その数秒後、またもや扉が開いた。
「おい調理部!すまんが3年の佐藤を知らんか!」
「え?あぁ、姉なら普通教室棟の方へ向かいましたよ。」
にっこり、と嘘の笑顔を貼り付けて佐藤くんは言った。先生もそれに騙されたのかすぐに行ってしまった。後ろにいる私と伊織くんは笑うのを堪えるので精一杯だった。
伊織くんはいつの間にか付けていた「増子先輩命」という鉢巻を付けて叫んでいる。伊織くん、顔はいいのにそんなことするから…と思っていると佐藤くんも同じことを考えていたらしく、なんとも言えない顔をしていた。分かるよ、それ。
「はい、休憩ね。今日はパンナコッタだよ。」
「おっ、けーちゃんありがと!いやぁ、勉強は楽しいねぇ!」
「伊織くんからそんな言葉が聞けるとは思ってなかったよ…。」
意気揚々としながら勉強している伊織くんは別人のようだった。私も頑張らなきゃ、赤点が危ないかも…。
ほのぼのとパンナコッタを食べていると、調理室の扉が開いた。お客さん?
「慶太!匿ってくれないかしら!」
「さ、佐藤先輩!?」
風にように飛び込んで来たのは佐藤先輩だった。彼女には似つかわしくない汗が首筋を辿っている。
「姉さんどうしたの…。やらかしたの?」
「進路相談から逃げているの。ちょっと隠れさせてちょうだいね。」
先輩はそう言うと、佐藤くんからベランダの鍵をひったくり、ベランダへと駆け込んだ。
その数秒後、またもや扉が開いた。
「おい調理部!すまんが3年の佐藤を知らんか!」
「え?あぁ、姉なら普通教室棟の方へ向かいましたよ。」
にっこり、と嘘の笑顔を貼り付けて佐藤くんは言った。先生もそれに騙されたのかすぐに行ってしまった。後ろにいる私と伊織くんは笑うのを堪えるので精一杯だった。

