それからというものの、彼の勉強に対するボルテージはぐんぐん上がっていた。聞いた話によると授業中も積極的に挙手、しかもしっかりと答えているらしい。恋の力って偉大…。
「伊織、頑張ってるね。…サチちゃんも負けないようにね。僕、どちらかというとサチちゃんを応援してるし…。」
「が、頑張る!教えてもらった義理もあるし…。」
「でも前より解けるようになってるね。誰に教えてもらったの?」
「志優先輩だよー。」
そう言った瞬間、佐藤くんの表情が氷のように固まった。今は初夏のはずなのに、部屋の温度がぐん、と下がった気がする。
「志優って、もしかして生徒会副会長じゃないよね…?」
「え?生徒会副会長の栗山志優先輩だよ?」
佐藤くんの眉間にシワが寄った。端正な顔がもったいない…。なんて能天気に考えていると佐藤くんの目が闘志に燃えていた。
「サチちゃん、僕負けないから!絶対!」
「は、はぁ…。」
そんなに志優先輩に教えてもらえたのが羨ましいのかな…。そもそも私と佐藤くんじゃテストの点の差がありすぎだよ。負けないから、なーんて言うけど初めから佐藤くんの勝ちは決まってるよ。そんな言葉は喉元まで来て泡のように弾けた。
「伊織、頑張ってるね。…サチちゃんも負けないようにね。僕、どちらかというとサチちゃんを応援してるし…。」
「が、頑張る!教えてもらった義理もあるし…。」
「でも前より解けるようになってるね。誰に教えてもらったの?」
「志優先輩だよー。」
そう言った瞬間、佐藤くんの表情が氷のように固まった。今は初夏のはずなのに、部屋の温度がぐん、と下がった気がする。
「志優って、もしかして生徒会副会長じゃないよね…?」
「え?生徒会副会長の栗山志優先輩だよ?」
佐藤くんの眉間にシワが寄った。端正な顔がもったいない…。なんて能天気に考えていると佐藤くんの目が闘志に燃えていた。
「サチちゃん、僕負けないから!絶対!」
「は、はぁ…。」
そんなに志優先輩に教えてもらえたのが羨ましいのかな…。そもそも私と佐藤くんじゃテストの点の差がありすぎだよ。負けないから、なーんて言うけど初めから佐藤くんの勝ちは決まってるよ。そんな言葉は喉元まで来て泡のように弾けた。

