「なになに?僕も混ぜてよ、サチちゃん。」

作業が一段落した佐藤くんも話に入ってくる。伊織くんにしては珍しく慌てた様子。なんだか彼らしくない。

「え、あ、けーちゃん…な、なんでもねーって!」

「だってさ。サチちゃん、どう思う?」

「す、好きなんじゃないですかね…。」

だってあからさまだもん。耳まで真っ赤に染めた顔で言っても、説得力がない。

「…伊織が最近仲良くしていた子…僕の知る範囲だと…服飾科の安西さん、もしくは…。」

佐藤くんはクスッと笑った。


「生徒会の増子先輩、とか?」


伊織くんの目がカッと開かれる。あ、ああ…う…、と母音だけの声。もしかして、図星?