志優先輩から頂いた飴を口に放り込んだ。伊織くんがずるい、と言ってきたけれど…私がもらったんだもん。いいよね。
甘いものを食べると心が癒されるなぁ…ぼーっとしながら思っていると、ガララと控えめに扉が開いた。少し気分がどんよりとしている佐藤くんだった。
「…ただいま。」
「お、けーちゃんお帰り。なんか疲れてね?」
「…うん、いやまぁ…大したことじゃないから。」
そう言われるともっと気になってしまうのが人間の性だと思う。それをいつの間にか口にしてしまっていたらしく、佐藤くんはため息をついた。
「…留学のこと。」
「「留学!?」」
あまりにびっくりしてしまい思わず伊織くんとハモる。留学っていうのはつまり、あの、外国に行ってしまうってことですか…!
「そ。留学。僕は父さんのことがあるから断るつもりなんだけど…ゴリ押しされてて。」
「さ、佐藤くんのお父さん…?」
佐藤くんと佐藤先輩のお父さん、と言われてもピンとこない。どんな人なんだろう…。
「んーとな、藤山。ベルギーのボヌール・シュクレって店知ってっか?」
ボヌール・シュクレ…なんだか雑誌で見たことがあるような。確かお菓子がユニークなのに美味しいからお取り寄せとしても人気って聞いた気がするけど…。
「そこ、けーちゃんの父さんの店なんだよな〜。」
「へ?」
「そういうことだよ。卒業後はあっちに行かなきゃいけないけど…。」
またも佐藤くんは嘆いた。ベルギーのあの有名店がまさか佐藤くんのお父さんのお店だなんて…!
「…なんか気分落ちたなぁ。紛らわせるためにゼリーでも作るよ。何がいい?」
「サイダーで!」
伊織くんの切り替えの速さは尊敬してしまう。…そっか、佐藤くん留学の話出てるんだ。もし本人が行く気だったら、いなくなっちゃうんだよね…。心の中がチクリと痛んだ。
甘いものを食べると心が癒されるなぁ…ぼーっとしながら思っていると、ガララと控えめに扉が開いた。少し気分がどんよりとしている佐藤くんだった。
「…ただいま。」
「お、けーちゃんお帰り。なんか疲れてね?」
「…うん、いやまぁ…大したことじゃないから。」
そう言われるともっと気になってしまうのが人間の性だと思う。それをいつの間にか口にしてしまっていたらしく、佐藤くんはため息をついた。
「…留学のこと。」
「「留学!?」」
あまりにびっくりしてしまい思わず伊織くんとハモる。留学っていうのはつまり、あの、外国に行ってしまうってことですか…!
「そ。留学。僕は父さんのことがあるから断るつもりなんだけど…ゴリ押しされてて。」
「さ、佐藤くんのお父さん…?」
佐藤くんと佐藤先輩のお父さん、と言われてもピンとこない。どんな人なんだろう…。
「んーとな、藤山。ベルギーのボヌール・シュクレって店知ってっか?」
ボヌール・シュクレ…なんだか雑誌で見たことがあるような。確かお菓子がユニークなのに美味しいからお取り寄せとしても人気って聞いた気がするけど…。
「そこ、けーちゃんの父さんの店なんだよな〜。」
「へ?」
「そういうことだよ。卒業後はあっちに行かなきゃいけないけど…。」
またも佐藤くんは嘆いた。ベルギーのあの有名店がまさか佐藤くんのお父さんのお店だなんて…!
「…なんか気分落ちたなぁ。紛らわせるためにゼリーでも作るよ。何がいい?」
「サイダーで!」
伊織くんの切り替えの速さは尊敬してしまう。…そっか、佐藤くん留学の話出てるんだ。もし本人が行く気だったら、いなくなっちゃうんだよね…。心の中がチクリと痛んだ。

