憂鬱な放課後が来た。

…あの日から佐藤くんの元へは行かなかった。ううん、行けなかったというのが正しいのかもしれない。たまたま前は渡り廊下で彼の姿を見た。佐藤くんは私に気付いていないはずなのに、体がつむじから爪先まで一気に熱くなって、動けなくなってしまった。

そんな自分に戸惑って、今だに調理室はもちろん、特別棟にすら近づいていない。…佐藤くんにメールする勇気さえ心の深い、深いところに沈んでいる。

「…怒ってる、よね。やっぱり。」

あんなことしたんだもん、当たり前だよね。勝手に出て行ったんだから。軽蔑、されてもしょうがない。

はぁ、と息をはく。
すると後ろからスパァン!と扉が大きく開いた。

周りがざわざわと騒がしくなる。
そこに居たのは黄色のリボンとネクタイの男女。

「…生徒会の、副会長!?」

誰かがぽつり、と呟いた。あぁ、確かに生徒総会で見たことがある気がする。あれ、でもどうしてこんなところに…。

二人の副会長はニコニコと笑いながら教室内に入ってくる。

そして立ち止まったのはなんと。



私の目の前だった。