5分。10分。
佐藤くんの姿は見えない。それどころか人の量は時間に比例するかのように増えている。さっきの倍はいるかもしれない。いや、倍は言い過ぎかも。

戻ってスマホ取りに行って、連絡取ろうかな…でも、佐藤くんと入れ違いになったら、迷惑になっちゃうし…。

はぁ、と困り果てて俯くと、前に大きな影が。もしかして、佐藤くん!?

バッと顔を上げて見ると、そこにいたのは名前も顔も知らない、男の人三人だった。