「藤山沙智ーーー!何処にいるーー!」

「どこ!?ねえ、あなた!見つけた?」

「んもー!早く見つけなさいよ!」

私、藤山沙智。

現在逃亡中です。

事の発端はそう、あの球技大会から…。

この学校は普通コースと専門コースの二つがある。私は普通コース。赤いリボン、赤いネクタイをした普通コースは大学などを目指す生徒が集まる…まあ普通科。
一方青いリボン、青のネクタイをした専門コースは料理、美容、服飾などそういったものを目指す人たちが集まる。専門的別のカリキュラムを学ぶと聞いたけれど…。

普段はあまり関わりのない普通コースと専門コース。その二つが競い合うとき。それこそが球技大会。去年はちょうど風邪を引いていて出れなかったんだけどね。

あの日の私はクラスメイトにいつの間にかエントリーさせられていたテニスに参加していた。

とは言うものの、私は運動は嫌い。

無理やり出させられたテニスでの対戦相手はなんとテニス部期待のエースの子。

負けるつもりで、なーんて軽い気持ちでやってみたら何とそのままストレート勝ち。