大好きだったあいつ



シュンとしたあたしに、はぁ…とため息を吐いて、もういいけど。とスタスタ歩き出した。


「……ねぇ、あの合コンの時の後輩、ちゃんとやってる?」


「あー。
まぁ、会社では普通にやってるよ。
多分大丈夫なんじゃないの。」


ふぅん…と彼を見上げる。


フワッと白い息が口元から出て、寒そうに首元をすくめる洋平さんはやっぱりかっこいい。


再会して何度そう思っただろう。
何度巡りあってもあたしはこの人を好きになる運命な気がする。


そんなあたしに気付いて、嫌そうに顔を歪めた。


「……なに?」


「なんでも!」