大好きだったあいつ




そのままイラついた表情で立ち上がった。



「とりあえず来い。
店を出るぞ。」



慌てて鞄を持って店を出ると、ゆっくり歩出すので着いて行く。



「ったく、どこからそんな話し聞いたか知らねーけど、確かに唯に昔好きだって言われた事は事実だ。
明るくて人を翻弄する性格に惹かれないわけじゃなかった。
今まで会った中で一番良い女だと思う。
だけど、無理に浩一のために断ったとか、そんなんじゃない。
俺が、付き合ったとして絶対良い思い出なんて作れないからやめておけって言ったんだよ。」



こうちゃんのためじゃなかったんだ…



「浩一が気にしてるってのもあって、唯も俺もあんまり話さなくなったから余計に2人の関係疑う奴もいたんじゃねーの。」


なるほど…