大好きだったあいつ



ゆっくり振り返ると、洋平と視線が交わる。
周りの皆も不思議そうにあたしを見た。



「……俺の昔振った子に似てるなぁ〜」



ニヤッと笑った顔で、確信犯だと気付く。


え?と皆が驚くので、とりあえずしらばっくれる。


「え!?
あたし初対面ですよ?
こんなイケメン会ったら忘れませんもん♡
雰囲気似てるんですかね?」


にっこり笑いながら、これ以上突っ込んで来るなと目で訴える。


何かをしばらく考えるような顔をして、フッと笑った。


「…そうかも。
ごめんね。」


「…いえ。」