大好きだったあいつ



ばれたら今日の計画は失敗に終わる!
絶対ばれないようにするか、しらばっくれるしかない!


顔が見えない様に俯く。


彼が来た瞬間、女子の顔色が変わったのは気のせいではないはず…


「俺らの上司の広瀬 洋平さんです!」


「よろしく」

「えっ広瀬さんは何で遅れたんですかぁ?」

「仕事が残っててね。」

え〜真面目なんですね〜
と黄色い声を聞きながら、あたしは一郎の横に移動した。


「一郎くんって〜、普段何して遊んでるの?」


「えー、何かなー酒飲みに行ったり買い物したり…かなー?」

「じゃあ、お酒飲めない女子は彼女になれないね?」


上目遣いで小首を傾げると、少し顔がにやけた。
今、俺狙われてるって思ったな、こいつ。