「あたしは、ほのかみたいにモテる女子って憧れるなぁ。」
そんな事言ってるけど、あたしの言葉ににやけたのは見逃さなかったよ。
女子ってそういう生き物だ。
自分だけ褒められっぱなしだと、自慢してるみたいで申し訳なくなる。
だから、相手の良い部分を引っ張り出して同等な様に言う。
面倒くさい。
だって、惚気たくて話してるくせに。
その日の仕事が終わった後、久しぶりに浩一から電話があった。
家に来いとの事。
彼は、二年前に結婚して新居に住んでいる。
呼び鈴を鳴らすと、ガチャリと開くドア。
ヒョコッと顔を出したのは、奥さんの唯さん。
「ほのちゃーん!
久しぶりー!」
高い声で、目一杯笑ってあたしを抱き締める彼女は本当に可愛い。

