「ほのかさ、彼氏作らないの?」

同期の沙弥がランチ中にいきなり切り出してきた。
彼女は最近出来た彼氏と上手くいっているらしく、幸せを分かち合いたいんだろう。


「彼氏ね〜、欲しいけど…。
彼氏っていう名前のものに、意味を感じられないからなぁ〜」


「意味って何?」


手元のパスタをクルクルとスプーンの上で丸めながら、不思議そうに首を傾げる彼女を上目遣いで見た。


「別に彼氏って存在が居なくても、彼氏みたいに遊んだり頼れる人が居れば満たされてるから。」


嫌味っぽく取られないよう、付け足す。


「でも1人の男だけで心が満たされるって、女として幸せだと思う。」