大好きだったあいつ



そんなある日、千華が家にあたしを呼んだ。

いつもは千華の部屋に直行するのに、千華は何故か彼女の兄の部屋に入った。


「ほのか、来たよー。」





訳が分からず突っ立っていると、久しぶりに見る彼女の兄、浩一が顔を覗かせた。


「おぉ、ほのか久しぶりだな。
ちょっと話ししようぜ。」


浩一は、あたしと洋平さんを出会わせたキッカケの人だった。


なんとなく、言われる事は分かった。

部屋に入ると、元気か?と人懐こい笑顔であたしの頭を撫でた。


「元気だけど…何?
言いたい事はなんとなく分かるけどね。」