大好きだったあいつ



「どうして今日家に行っちゃダメなの?」


「今日は部活で遅くなるから……」


「待ってるよ?」


「でも………」


「迷惑…?
少しでも2人っきりの時間が欲しいな…」


「…分かった、待ってて。」


「わーいっ、ありがとう♡」


ヒラヒラ手を振るあたしの後ろから、怖っ!という声が聞こえた。


「千華………」


「ね、最近どうしたの?
キャラおかしくない?
そんな甘えキャラじゃなかったじゃん。
…それに、あんた彼氏何人いるの?」


千華の呆れ顔に対してあたしは、にんまり笑う。


「単純だよね、男って。
結局下心が勝つんだもん。
本気であたしの事好きな男どれだけいるかな?」