「すみません、桃香さんとお付き合いさせていただいてる夏川 絢斗と申します。

今日、桃香さんと出かけてて帰るときに寝ちゃったんですけど……」



そこまで言うと、女の人はパァと顔を明るくさせ機嫌良さそうに話し始めた。



「あなたが桃香の彼氏!?

桃香の姉です! わざわざ送ってくれてすみません。この子、なかなか起きないでしょ?」



やっぱ姉か。質問に“はい”とも“いいえ”とも言えず黙ってるとまた話し始めた。



「あ、桃香ひきとりますね。

それで、悪いんですけど早く帰ったほうがいいですよ?」



「はい?」