隣に追いつくと、彼は「あ」、と声を出し、振り向いた。 「今日の先輩、とってもかわいいですよ」 「え?」 い、いまなんて? 驚いた表情のあたしを見て、ふふふ、と笑う水城君。 「いまなんて…?も、もう一回言って?」 「いいませんよ。がんばって思い出してくださいね」 意地悪っぽく笑う水城君は逃げるように走り出した。 ま、まってぇ!