「財布、忘れたんですよね」 気づいてくれてたんだ…。 「ごめんね、あたしがおごる予定だったのに…」 謝ると、水城君はあたしの頭をぽん、となでて微笑んでくれた。 「大丈夫ですよ。先輩の楽しそうな顔が見れたましたし、ね」 「ありがとう、水城君。明日お金返すね」 「大丈夫ですよ」 でも、というあたしを差し置いて「また明日」といって鈴を鳴らしてariceから出て行く水城君。 やっぱり…、明日お金返さなきゃなぁ。