なにも知らないくせに…



「なにも知らないくせにって顔してるわね」


にやっと笑ったその顔は
なんでも見透かされているような気持ちになる


「知らないのは当たり前じゃない。
優斗くんが話してくれないんだもの
ほら、全部話してみなさい」


…話さなきゃ、ないのか?


コトッ


話そうか迷っていると
コーヒーのいい香りが鼻をかすめた

先生が淹れてくれたらしい


「時間はたっぷりあるからね?」


にこっと笑う

その顔が怖いんだよな…


…しょうがない

全部話してやる