1)ある日俺は艦隊これくしょんをすることになりました。



ある日の、朝。俺の日常は、狂い始めたんだ。
まさか…夢だと言ってくれ、神様。

俺は、ごく普通の高校生だ。しかし、少し、軍艦が好きな位だ。少し…。そんな俺の前に、1つの、ブラウザゲームが現れた。そう。これが、【艦隊これくしょん】略して、艦これ。このゲームは、簡単にいうと、美少女×軍艦という、萌え萌えなゲームである。このゲームを中心に俺のカオスな、いや、俺たちの生活が、スタートしたのである。


今日は晴れていた。と言っても、午後からは雨だ。
「お兄ちゃ~ん?卵買ってきてくれる?」
「あれ?もうなくなっちゃったけ?」
お兄ちゃん。つまり、俺はお兄ちゃんである。俺の妹である、佐藤鏡花
キョウカ
は、今年で、中学二年生になり、俺は高校一年生としての生活が、1ヶ月をこえ、クラスにも慣れ始めたところだ。そんな俺の休日は今、まさにお使いで減らされることになった。
「今日雨降るし~今じゃなきゃダメかな?」
「ダメだよ~!オムライス作れないじゃん!
「わかりました、ヘイヘイ、行って参りまーす。」
はぁ~俺の休日が~。今のところ、空模様の方は大丈夫そうだが、念のため傘を持っていくことにした。俺の家は、千葉の海沿いに位置する、普通の一軒家で父親と、母親に妹の四人家族で暮らしている。
玄関を出た先には見慣れない、高級そうな、黒い車が止まっていた。中には、スーツを着た大人3人と、妹と同じ歳だろうか、きれいな茶髪と、セーラー服が似合う、小さな女の子がそこにいた。
「あのぉ~、車避けてくれませんかね?」
運転手は何か、名簿を見ていたのか、俺の顔と、名簿を見比べ疑いの眼をしながら、車を急発進させた。なんだったんだ?と少し、不安になる。
考えている間に、雲行きが怪しくなってきたので、小走りに、近くのコンビニに向かった。
その日の夜。両親はまだ仕事で、二人とも、遅くなると電話をかけてきた。俺は妹と、リビングでたいした面白くもないバラエティー番組を観ていた。
「お兄ちゃん。最近のテレビ面白くないよね。」
「そうだな。」
「なんか、すごいこと起きないかな~」
「例えば?」
めんどくさいから、適当に聞いてみた。
「ん~お兄ちゃんがヒーローになるとかかな。」
「そりゃ大変だ。」
「んも~ちゃんと聞いてる?」
「聞いてるよー」
「!…」
鏡花が何かを、言いかけたときテレビの、速報が飛んできた。
【今日、午後7時頃、千葉沿岸46キロ沖合いで、貨物船や、タンカー、護衛艦等が相次いで、転覆したもよう!最新の情報が入り次第、お伝えして行きます。】どこの放送も、このニュースで持ちきりだ。
最初の速報から30分ほどたった頃だろうか、新しい情報が入ったらしい
【先ほどお伝えした速報に新たな情報が入ってきました!えぇー、貨物船3隻に石油タンカー1隻、護衛艦1隻が、何者かの攻撃を受けたとして、政府が自衛隊を出動させたもようです。救助活動は広い範囲で危険水域と指定されたため、民間からの救助活動は遅れをとっており、航空自衛隊空からの情報によりますといづれの船舶も、浸水が進んでおり、一刻の救助が必要との会見がありました。少し、お待ちください。】
また、情報が入ってきたようだ。ディレクターやらカメラマンやらいろいろなスタッフが走り回っているのが、カメラに写っていた。
【失礼いたしました。先ほど、救助ヘリが現場上空に到着し、救助が始められたもようです!】
「なぁ鏡花。お前なんかしたか?」
「してない…」
平和ボケしているこの日本で、これだけの事件は珍しい。それから、テレビは一晩中速報を流し続け、俺らは、眠りについた。

「ここは、」
目覚めたのは、なぜか、嵐の中なのだろうか、ひどく荒れた海の上だった。
「は?どこだここ?」
見渡しても、陸なんか見えなく、雨が顔に打ち付ける。不意に後ろから、凄まじい爆発音が轟き、頭の上には、多数の航空機がかすめる。
「なんだ!?ウォッ!」
超高速で、何かが俺の真横を通っていった。
間違いない。あれは、
「右砲戦!全砲門、撃てっ!」
「艦載機全機発艦してください!」
おいおい、これは夢だ。夢に決まっている。
あんな女の子が、撃てるはずが…
いや、俺はこれを知っている。
艦これだ。
ということは、
また後ろから、今度は、聴くものを恐怖にするほどの、恐ろしい叫び。いや、咆哮が響いた。
白い肌に、黒い長い髪。水色に染まっためは、まるで深海に引きずり込まれるような恐ろしい目
「戦艦ル級だ」
不意に、ル級と目が合い、ル級の砲身がこちらにむけられる 。体が動かない。無意識に体が恐怖して腰が抜けたのだ。だがル級は容赦なく撃ってきた。
「こんなところで、死にたくないな、もっと俺に力があれば。」
数秒後俺の回りに、巨大水柱がたち、俺は吹き飛ばされ、意識を失った。