あれからしばらくは高岡は片時もネコを離さなかった。

仁志の言葉を信じこんでしまったらしい…

(今日は忙しかったなぁ…)

バイトが終わりクタクタな状態でアパートに着いた仁志は、本当はすぐにでも寝たかった…しかしそれは無理な事だとすぐに分かる…
仁志の部屋の扉の目の前で、ババァと山口が睨みあっている。
動かない…ただ睨みあっている…

「あ、あのぉ~入れないんで違う場所でやって貰っていいっすか…??」

何も答えない…動かない…ただ無言で睨みあっているだけ。

「あのぉ!!」

その瞬間だった!山口がババァの腕をサッと掴み大声をあげた!

「ババァ!俺だけ家賃2万も高く取りやがって!!許さんっ!!」
「うるせぇ!嫌なら出ていきなっ!お前みたいな身寄りも金も無いような人間をどこが住ませてくれるかねぇ~!!!」

…あぁ~あ。バトルはまだまだ続くだろうなぁ…

仁志の不安が的中したのは言うまでもない…