ひとり ひとり









みんな帰っていく










最後にはなりたくない








でも、迎えに来てくれる人もいないから











結局私はひとりだった










小さいころ公園であそんでいたら、みんなお母さんがむかえに来て帰ってしまう。






私はお迎えがこないから







いつも、近所の友達とそのお母さんと一緒に帰っていた











でも、珍しく大雪が降っていた日その子とそのお母さんはどこか遠くへいってしまったから







私は本当にひとりになってしまった









待っているのは私だけ









だんだんと減っていく中、お迎えなんてこないのにずっと待ってた









「帰らないのか?」










突然、声をかけられてちょっとびっくりしたけどなんだか優しい声に安心した。







なにも反応しない私を不思議におもったのか









「おい。」








いつの間にか目の前に立っていた。








「お前かえらないのか? 親は?」









まだ、私とおなじくらいなのに大人びたその男の子はラムネビンを片手に光らせていた










「親はいないよ。






それに帰らない。」










「どうして?」









どうして?だって一人で帰る家は嫌いだ

ただいまっていってもおかえりって言ってもらえない家は嫌












…静かすぎる家は嫌い














何も答えない私を見てなにを思ったのかその子は微笑んだ


















「なら俺がお前をむかえにいってやるよ」











「え?」








顔をあげるとほほえんでる彼と目が合った