----今野裕太 side---- 俺は少しの間その場を動けなかった。 口をバカみたいに開けて、目をこれでもかってくらい見開いて。 だってよ。 喋ってるんだぜ? 動物と。 あの子が座ってるベンチのまわりにはたくさんの動物が集まってる。 しかも、その子。 クラスメートの服部秋だよな? 夢か? 夢なのか? それともあの子がちょっとおかしな子なのか? いや、がっつり話してる…。 ……あんな風に、笑うんだ…。