威勢が良かったアルフレッドは身体を小さくしつつ自分が普段使用している席に腰掛けると、借りてきた猫状態になってしまう。流石のアルフレッドもシンの迫力に負けたのか、先程の迫力はない。
また、仕事をしないと再びシンが圧力を放ってくると気付いたのか、彼は黙々と仕事をはじめる。アルフレッドが真面目に仕事を再開したことに満足したのか、シンも仕事を再開する。
仕事中の私語は、身を危険に晒す。
そのことを一番痛感したのはアルフレッドだろう、彼は必死の形相を浮かべつつ仕事をこなしていった。その結果、予定していた時刻の前に全ての仕事を終わらせることができた。
「お疲れ」
「お疲れ様」
だが、アルフレッドから返事が返って来ない。仕事に集中し精根尽きたのか机の上に倒れ、呻き声を上げている。身体が大きいのでアルフレッドの呻き声は「騒音」に分類されるが、今回は真面目に仕事を頑張ったのでエイルとシンは生暖かく見守り、頑張りを褒める。
「じゃあ、僕が……」
「宜しく」
「何処へ行くんだ」
「終わった仕事を持って行くんだ。アルフレッドも一緒に行くか? 行く場所は、隊長のもとだけど」
「……遠慮する」
「それがいいよ。今、お前の額は真っ赤になっている。うつ伏せで寝ていたと、勘違いされる」
「マジか!?」
エイルの指摘にアルフレッドは反射的に身体を起こすと、自身の額を擦りだす。だが、これくらいで赤味が引くわけがなく、それどころか更に赤味が増す。それなら治まるまで部屋で大人しくしていた方がいいと言い残すと、エイルはシンにアルフレッドの監視を任せ隊長室へ向かった。
◇◆◇◆◇◆
予想以上に早く仕事が終了したことに隊長のシードは驚きを隠せないでいたが、アルフレッドが珍しく真面目に仕事に取り組んだことを告げると、シードは口許を緩ませ頷き返す。その変化は一瞬の出来事で普段の冷静な面持ちを浮かべると、エイルに重大な話を告げた。


