アルフレッドもメルダースの卒業生に対し「知能が高く真面目」というイメージを持っていたらしいが、エイルの説明で全員が全員そのイメージに当て嵌まるわけではないと知る。
クローディアに再就職先を求めた者はメルダースの破壊神と呼ばれ学園長や教頭、また教師達の頭痛の種と化す。尚且つ借金は天文学的数値を弾き出し、エイルに泣き付いてきた。
メルダース卒業者というプライドの欠片も感じられない無様な姿に苦笑が漏れなくもないが、アルフレッドはメルダースの卒業者も普通の人間だと納得し、何処か嬉しそうだった。
「全員、お前のような奴だと思った」
「あいつは特別だよ。メルダース相手に、借金を作ったのだから。多分、創立以来はじめてだよ」
「それは凄いな」
「死ぬ前に完済できればいいけど……だから手っ取り早く稼げる場所、水晶の発掘を斡旋したよ」
「いいんじゃないか」
「軽いね」
「何か言って欲しいのか?」
「……別に」
素っ気無い言い方をしているが、ラルフの評価をアルフレッドに求めることはしない。エイルはラルフに全ての借金を返済して欲しいだけであって、真面目に仕事に励めばそれでいい。
エイルの手厳しい発言の数々にアルフレッドは口許を緩めると、在学中相当苦労していたのではないかと同情心たっぷりの視線を向ける。おかしな部分で勘がいいアルフレッドにエイルは苦笑すると彼の言葉を肯定し苦労を語るが、肝心な部分は隠し適当にはぐらかす。
「あいつが普通に卒業し、普通に就職先が決定した時は喜ばしかったよ。これで二度と会わないで済むと……しかし、あいつは就職先をクビになった。で、僕のもとへやって来たんだ」
「で、そうやって文句を言いつつも新しい就職先を斡旋するなんて、やはりお前はいい奴だな」
「そうか?」
アルフレッドに褒められても、嬉しいという感情は湧いてこない。エイルはラルフに借金を全額返済してもらいたいからこそ、大金が稼げる就職先をフレイの紹介書付で斡旋した。そして借金返済が滞ればクリスティから想像を絶する圧力が掛けられることは、内緒にしておく。


