「本当なのか?」
「本当よ」
「そ、そうか……」
シェラの話に、エイルは思わずアルフレッドを凝視してしまう。エイルの凝視にアルフレッドは反射的に頭を振り、身の潔白を訴える。勿論エイルは、王家に忠誠を誓っているアルフレッドがシェラを苛めるようには思えないが、ここで味方するわけにもいかなかった。
悪い。
と心の中で謝りつつ、シェラの方につく。
「もう、苛めるな」
「お、おい」
「相手は、小さい子だ」
「いや、俺は……」
一方的に悪者扱いされることにアルフレッドは不満たっぷりだったが、顔を顰めるエイルを見て瞬時に心情を理解する。
シェラを怒らすな。
と言いたいのだろう、アルフレッドはエイルの気苦労を察すると、素直に頭を垂れ謝った。アルフレッドが謝ったことによりシェラは気分を良くしたのだろう、エイルに密着する。
これはこれで、可愛らしい。
しかし――
エイルは、溜息を付く。
捉えようによっては、これは「我儘」に分類される。流石に、ミシェルの我儘に比べればたいしたことないが、何とも我儘を言われると言われた側が疲れてしまう。それに王家の人間だからといって、全ての面が思い通りになるわけではない――と、シェラは知らない。
「ねえ、お兄ちゃん」
「何?」
「お兄ちゃん、魔法使えるのでしょう?」
「まあ、勉強しているから……」
「見たい!」
「魔法を!?」
突然発したシェラの頼みに、エイルは驚愕する。魔法使用には危険が伴うので、簡単に披露できるものではない。また、使用するにあたって周囲に邪魔となるモノがない場所を用意しないといけないが、これについてシードやリデルはいい顔をしないとエイルは考える。


