「怖いか」
「……大きい」
「見た目はあれだが、いい奴だ」
「本当?」
「本当だ」
「お兄ちゃんが、言うのなら……」
エイルの言葉を信用したのか、オドオドとした態度でシェラは進み出る。やっと信頼してくれたことにアルフレッドは背筋を伸ばすと、自己紹介とどういう関係なのか説明していく。
「親友?」
「違う、友達だ」
「違うの?」
「そう、ただの友達だ!」
「何が違うの?」
「気分的な問題だ」
アルフレッドと親友関係になりたくないのだろう、エイルは「友達」という部分を強調する。しかし貶すばかりでは可哀想なので、信頼している部分も存在すると付け加える。大好きな兄が信頼している人物――という部分に興味を示したのか、急にシェラの双眸が輝く。
「凄い!」
「そ、そうでしょうか」
「凄い。お兄ちゃんに、信頼されている」
「いや、時に迷惑を……」
「掛けているの?」
アルフレッドの本音に、シェラの表情が一瞬にして変化する。その瞬時に変化する表情にアルフレッドは、心の中で「しまった」と、呟く。がさつで厚顔無恥であるが、こういうことには敏感なのだろう、これから迷惑を掛けずに親衛隊の一員として任務を全うすると宣言する。
「親衛隊?」
「そうです」
「じゃあ、お兄ちゃんは……」
「これは……」
適切な言い訳が見付からなかったのだろう、エイルは反射的にアルフレッドに視線を合わせ救いを求める。突然のことにアルフレッドは動揺するが、エイルと違って瞬時に適切な言い訳が見付かったのだろう、この場を乗り切る言い訳をシェラに語り見事に納得させた。


