「誰が、宜しいでしょうか」
「年齢が近い人物がいい」
「と、申しますと……」
それについて、シードは即答しない。
偽者とはいえ、それ相応の人物を選び出さないといけない。まず、口が堅いことが前提で、公私混同をしない人物。そしてルシオンの年齢に近い人物で、体格面も考慮しないといけない。
勿論、アルフレッドは除外対象である。
「でしたら……」
「親衛隊の者がいいだろう」
「ですね」
「年齢が近いとなると……」
そう言い掛けている途中で、女の悲鳴が言葉を遮る。
只ならぬ様子にシードはリデルを連れ、悲鳴が響いた方向へ向かう。その場にいたのは侍女で、何か大事が発生したのだろう必死な形相でシードのもとに駆け寄ると、状況を説明しだす。
「……そうか」
「どうすればいいでしょう」
侍女の言葉にシードはリデルに目配せすると、言いたいことを理解したのだろうリデルは軽く頭を垂れ、すぐにシェラのもとへ向かう。侍女からの説明は、シェラの状況を聞きつけたミシェルがやって来たというもの。そしてあれこれと好き勝手に話、シェラを困らせているという。
だから、侍女が血相をかいてやって来た。
「連絡、感謝する」
「いえ、私達は……」
「……助かる」
短いやり取りであったが、シードの心情を理解できたのだろう、侍女は恭しい態度を取る。侍女全員はシェラの味方で、あのミシェルと一緒になってほしくないと誰もが考えている。だからこのようにシェラの身に何かがあった時、侍女達はすぐにシードのもとに駆け付けた。
「また、頼む」
「はい」
そう返事を返した後、侍女は踵を返し立ち去る。シードも同じように踵を返すと、シェラのもとへ向かう。するとリデルとミシェルの言い争いに近い声音が、耳に届く。シードは部屋に立ち入ると反射的にシェラに視線を向け彼女の無事を確認すると、ミシェルの前に歩み出る。


