シェラは、手紙に一喜一憂している。
そう話すと、リデルの表情が綻ぶ。
「それは、良かったです」
「シェラ様は、気付いていない」
「気付かれない方が……」
「癒されつつある精神が、再びダメージを負ってしまう。今度こそ、立ち直ることができない」
「……ですね」
国を思いシェラの将来を思うからこそ、周囲にいる者達はシェラの状態がいい方向へ向かうことを願う。
そのひとつが、手紙。
そう、シードはリデルに語る。
「時折、協力しませんと」
「手紙か?」
「はい。内容は、多い方がいいでしょう。それに女心は複雑ですので、アドバイスを致しませんと」
それについて、シードは即答を避ける。エイル同様、シードは女心についてあれこれとアドバイスできるほど経験が豊富ではない。だからリデルに任せれば大丈夫だと考えたのだろう、シードは彼女に頼む。
シードの命令にリデルは頭を垂れるが、ふと疑問に思ったことがあったのか、それについて尋ねる。
シェラ様を一人にして、大丈夫か。
それについてシードは、手紙をしたためている間、邪魔になってしまうので退室したと話す。また、今のところシェラの回復をミシェルは知らない。だから多少は問題ないと、伝える。
「それでしたら……」
「やはり、心配だな」
「勿論です」
「しかし……」
「何か、不安でも?」
「シェラ様の兄上だ」
「ルシオン様は……」
リデルの言葉に、シードは頭を振る。シェラは兄が亡くなっていると知らず、メルダースで勉強をしていると思っている。今はメルダースに在学していると説明し我慢しているが、いつまでも我慢が続くわけではない。いずれ代理であれ、兄を用意しないといけないと話す。


