シッカリ仕事をやっているのか。
周囲に迷惑を掛けていないのか。
就職先を斡旋した手前、ラルフの動向が気になってしまう。もし真面目にやっていなければ、魔法を直撃させてもいいだろう。しかしラルフはマリサに一目惚れをしているので、その心配はないと期待したいのだが、いかんせん相手はクリスティが手を焼いた人物なので油断できない。
(……全く)
腐れ縁と認識していたが、まさかここまでの付き合いになってしまうとは――この調子だと、一生の腐れ縁は間違いない。きちんとした相手がいての腐れ縁なら多少は構わないが、メルダースの破壊神に似合う人物というより好きになってくれる人物がいるのかどうか。
いまだに悩みが尽きない。
◇◆◇◆◇◆
到着と同時にエイルは村の者にラルフの所在を尋ねようとしたが、友人の煩い悲鳴によって瞬時に所在が判明する。彼の現在の仕事は荷物運びらしく、両手に大量の荷物を抱え額には大粒の脂汗が浮かび上がっていた。また限界が近いのか、顔が真っ赤で肩で呼吸をしている。
「やあ」
「な、何で……」
「仕事だよ」
「何か……用事?」
「まあね」
「親方は、向こうに……」
「いや、お前に用事」
エイルの言葉に驚いたのか、ラルフは持っていた荷物を落としてしまう。荷物の中に一体何が詰められていたのか、落とした瞬間ガタンっと何かが砕ける音が響く。荷物を落としてしまったことにラルフは絶叫するが、それを間近で見ていたエイルは表情を変えることはない。
「エ、エイルが……」
「僕は悪くないよ」
ラルフが勝手に驚いて勝手に落としたのだから、自分は関係ないとエイルは言い放つ。冷たい言い方をする友人に間髪入れずに反論するが、物が落ちる音を聞き駆け付けて来た村の者に一喝されてしまう。まさに泣きっ面に蜂というべきか、ちょっぴり涙を浮かべていた。


