誰か、間に立ってくれる者はいないか。
生憎、シードの身内や知り合いにそれに適した人物はいない。シードは部下に水晶発掘の関係者がいないか尋ねると、アルフレッドがエイルの名前を出し友人に発掘現場で働いていると伝える。
「本当か!?」
「そう、あいつが言っていました。以前働いていた場所がクビになったらしく、エイルに就職斡旋を頼みに来たようです。あいつが言っていたのだから、嘘ではないと思いますが……」
アルフレッドが曖昧な言い方をすることに、シードは妙に納得してしまう。あの世界最高峰と呼ばれているメルダースを卒業した者が、就職先をクビになった。その者はメルダースの中では異端の存在と考えられなくもないが、同時に偽物ではないかと疑問視してしまう。
この場合、あれこれと考えるよりエイルに直接問い質し方が早い。そのように結論付けたシードは、アルフレッドにエイルを呼んでくるように頼む。隊長からの直々の命令にアルフレッドは背筋を伸ばし敬礼すると、煩い足音を廊下に響かせながらエイルを捜しに向かう。
十数分後――
呼び出されたエイルはシードに、真相を語った。
「……信じられない」
「隊長の言葉、わかります。ですが、正真正銘のメルダースの卒業者です。専攻は違いますが……」
「しかし、そのような者は……」
「学園長の頭痛の種でした」
「やはり」
「別名〈メルダースの破壊神〉です。この名前は、同級生なら誰もが知っている名前になります」
「破壊神?」
「彼の趣味は、実験と研究。成功すればいいのですが、大半が失敗でした。その結果、破壊活動……いえ、本人はそのつもりはないと言っていましたが、学園を壊しまくっていました。メルダースの学費は奨学金だったのですが、それに加え学園の修繕費も重なりまして……」
「……恐ろしい人物だ」
メルダースは特別の学び舎と考えていたシードにとって、エイルの話は信じ難い。だが、そのような人物でも難易度が高いメルダースの進級試験と卒業試験を合格したのだから、それ相応の頭がいいということだろう。シードはその点を尋ねると、エイルはラルフの成績に付いて話す。


