オルデランが心配しているのは、王家の存続。シェラが女王として君臨しているも、それは正式に認められたわけではない。仮初の女王であり続ける間、玉座は空白になっている。いずれ正式な継承者が座らなければいけないのだが、現在のシェラにそれを求めるのは酷といっていい。
「回復の見込みは?」
「今のところは……」
多くの者がシェラの早い回復を望んでいるが、今のところ特効薬になるモノが見付からない。しかしオルデランが言うように、いずれ正式な者が王位を継承しないといけない。神官達が女神に祈りを捧げ、シェラを正式な女王として認めてもらわないといけないだろう。
そして回復までの間、補佐を付ける。勿論、補佐を行う者は信頼できる人物でなければいけない。母国を裏切り敵国に寝返った者は以ての外で、そのような者は自分の利益になることしか考えていない。フレイの意見にオルデランは頷くが、シェラに酷な運命を背負わせてしまうと嘆く。
「何と、罪深いことか」
「女神も、わかって下さる」
「そのように大神官殿に言われると、救われます。国や民のことを感がるあまり、どうしても……」
「仕方ないことです。このような状況に置かれ、敵が多い状況にあります。その中でバゼラード殿は、よくやれております」
オルデランの評価に、フレイは頭を振る。評価の通り本当によくやっているというのなら、クローディアの立場は改善し、いい方向に向かっている。それだというのに国の内情は改善せず、悪い方に向かっている。だから褒められたものではないと、フレイは苦笑した。
「隊長の地位も譲りました」
「しかし、それは訳あって……」
「どうも、私を邪魔と思っている者も多いです。譲ったところで、静かになることはありません」
「それだけ、影響を――」
「あまり、嬉しいことではないです」
「ですが、シェラ様が真の女王になられた時は……」
「……そうですね」
若手に国の将来を任せたいが、不安的な状況からの立ち直りにはベテランの知識も欠かせない。また、敵に回った者には疎ましいと思われているが、味方側にしてみればフレイが第一線に戻って来るのは有難い。それだけフレイの存在は大きく、精神的支えといってもいい。


