「俺と訓練するか?」
「結構」
アルフレッドの誘いに、シンは間髪いれずに返答を返す。一緒に剣の訓練ができると期待していたが、まさかこのように拒絶されるとは――しかし、これくらいでアルフレッドがめげるわけがない。シンが駄目というのなら別の相手を捜せばいいことで、相手は近くにいた。
「エイルは?」
「嫌だ」
「何故?」
「お前の剣が怖い」
「怖いって、何だ」
「剣の技量で相手を捻じ伏せるというより、お前の馬鹿力で捻じ伏せているって感じだから」
シンもアルフレッドの剣の使い方に多少の不満を抱いているのだろう、エイルの指摘に納得するかのように何度も頷いている。あのような剣の使い方をする者と一緒に訓練はしたくないし、怪我もしたくないと本音を言う。勿論、これに関してもシンは同意見だと話す。
「じゃあ、俺は……」
「許可が下りれば、魔法だけ」
「剣の練習は?」
「一人でやればいい」
「た、隊長は?」
突然口に出した言葉に、エイルとシンだけではなくリデルまでもがアルフレッドの顔を凝視する。まさか剣の練習相手に、シードを選ぶとは――失礼というより、無謀そのものだ。そして練習といっても簡単に叩きのめされ、自分の力量の低さを改めて認識するかもしれない。
それはそれでアルフレッドの成長に繋がるだろうが、練習相手として名前を上げたシードが果たして引き受けてくれるかどうか――頭を下げ誠心誠意頼めば何とかなるかもしれないが、その確立は極めて低い。それにシードは親衛隊の隊長として、何かと忙しい身である。
「俺は、どうすれば……」
「知らない」
冷たい言い方だが、今はこれしか言えなかった。そもそもエイルもシンもアルフレッドと剣の練習をしたいと思っておらず、ましてやシードに頼む件も難しい。だからアルフレッド自身が剣の練習を引き受けてくれる人物を捜さないといけないと、エイルは厳しい口調で語る。


