「副隊長、宜しいですか?」
「剣と魔法の対決?」
「そうです」
「大丈夫?」
「相手が、アルフレッドなら大丈夫と思います。鋼の肉体を持っていますし、此方も手加減します」
しかしリデルは、いい表情をしない。いくら魔法を手加減するといっても、アルフレッドは魔法の防御方法は知らない。鋼の肉体を持っているので死亡の心配はないが、怪我は免れないだろう。また魔法の練習の許可は得ているが、シードに魔法と剣の対決の許可はない。
だから勝手に許可を下し、勝手に対決を行なわせるわけにはいかないという。リデルの意見にエイルとアルフレッドは互いの顔を見合わせると、仕方がないと諦める。ここで無理をしてもいいことはなく、後できちんと許可を得てから対決すればいいと約束するのだった。
「やっぱり、対決するの?」
「できましたら」
「俺は、強くなりたいです」
「高みを目指すことは、それはそれで素晴らしいことよ。だけど、規則も守らないといけないわ」
「わかっております。ですが、魔法との対決を……勿論、隊長に駄目と言われましたら諦めます」
成長を望む者に、頭ごなしに「駄目」と否定するわけにはいかない。だからといって言った通り、勝手に許可を下すわけにはいかない。これに関しては、後でシードに聞いておくという。そして許可が下ったら、思いっきり好きなように剣と魔法で対決していいと言う。
「期待します」
「……アルフレッド」
「し、失礼しました」
肝心な部分で調子に乗ってしまうのが、アルフレッドの悪い癖。リデルの鋭い指摘にアルフレッドは背筋を伸ばし、無礼な振る舞いをしたことを詫び頭を垂れる。相変わらずともいえる態度にエイルとシンは、どのようなことを言われても変わらないと感じるのだった。
だが、これはこれでアルフレッドらしいと、エイルとシンは考える。なんだかんだと不真面目な面が多々目立つが、アルフレッドは親衛隊の一員として上手くやっていた。すると仲間の向上心の高さに触発されたのか、シンも訓練し剣の腕前を更に高めようと決意する。


