魔法の練習は、どうすればいいか――
できるものならリデルが上手くシードから了承を得ることができれば、彼女と共に練習を行うことができる。またリデルの魔法の腕前を高いと聞いているので、互いに力をぶつけ合えば得るものは大きい。それに互いに切磋琢磨していけば、今以上の力を身に付けるだろう。
日々の学習と努力。
それが、エイルがメルダースで学習した言葉。特に卒業した後がその人物の実力が真の意味で試され、一部はメルダースの名前に押し潰されてしまう者もいる。幸い、ラルフは潰されるということはなかったが、あのぶっ飛んだ性格により一度就職先を追われてしまった。
そのような面があっても、なんだかんだでラルフは学習と努力を行っている。いや、この場合は適応能力が高いというべきか――普段のラルフを見習いたいとは思わないが、このような点は見習うべきではないかとエイルは思う。それに心臓に毛が生えている方が、何倍もいい。
「エイル」
「何?」
「顔が怖い」
「そう?」
「眉間にシワが寄っている」
「考え事をしていた」
「悪いことか?」
「悪いことじゃない。魔法の訓練で……これは、副隊長も言っていたんだ。練習の場所がないと……」
エイルが語る切実な問題に、アルフレッドとシンが納得する。二人は魔法の練習がどのように行われているか知らないが、魔法の威力が凄まじいというのはわかっていた。だから全てではないが、二人はエイルが魔法の練習場所に困っているということを何となく理解できた。
「で、練習は?」
「副隊長が、何とかしてくれると言っていたけど……問題は、隊長の了承を得ないといけない」
「ああ、そうか。好き勝手にやって周囲を破壊したら、それはそれで問題になってしまうな」
リデルとの話では親衛隊の訓練所が練習の場所に最適としているが、これについてはエイルの説明の通り了承を得ることが大前提だ。それにメルダースに設置されていた訓練室と違い、防御がされているわけではないので下手すると外部に多大なる被害を出してしまうかもしれない。


