やり遂げた達成感がそうさせているのか、アルフレッドの口許はだらしなく緩みヘラヘラと笑っている。立派にシードの命令をこなせたことが誇りと自信になっているのだろう、アルフレッドの自慢は続き、最初は感心していたシンも途中から鬱陶しさの方が強くなっていく。
以前のアルフレッドであったら、エイルの指摘がないとシンの機嫌の悪さに気付けていなかったが、今回のアルフレッドは瞬時に空気を読む。彼女が何かを言う前に自慢話を止め、今度はエイルの方に話を振る。急に話を振られたことにエイルは間の抜けた声を出すが、何とか対応する。
「な、何?」
「隊長から、何か言われたか?」
「どうして、聞く」
「エイルが隊長のもとへ行くと、いつも長話をしている。だから、何か言われているとかと思った」
「……別に」
特にこれといっての話がされているわけではないので、エイルの言い方は何処か素っ気無い。しかし、何か特別な会話をされているのではないかと勘繰っているアルフレッドの追及は止まらず、一体何を話しているのかきちんと説明するように言い、徐々に近付いてくる。
この状況では、適当なことでもいいから何か言わないと追求の手が緩められることはない。アルフレッドの性格をある程度熟知してきているエイルは溜息を付くと、適当な内容を話していく。その内容というのは「アルフレッドの不真面目さ」というもので、彼をへこませた。
「ほ、本当か?」
「嘘じゃない」
「た、隊長は……」
「半分信用していて、半分信用していない。でも、エイルの件を考えると割合的に信頼の方が強い」
「でも、今回の出来事で信頼値が上がったんじゃないだろうか。これについては、褒めていた」
「だが、信頼が……」
「経験値を積むしかないんじゃないか。それに新人といっても、いつまでも新人とは言えないし」
的を射たエイルの意見に納得する部分が多々あったのか、アルフレッドは腕を組みながら何度も頷く。このように語っているが、エイルとシンも実感しないといけない。最初は新人感覚を持っていていいが、いつまでも引き摺ってはいられない。それに先程リデルが言っていたことも、気に掛かる。


