森に抱かれて


佐藤は裏庭で、ガスコンロにかけていた大きな寸胴鍋を持ち上げ、中身をザルを通してもう一つの寸胴鍋に移し替える。
ザルには、くったりした草が残り、黄土色のような微妙な色の液体だけが取り出される。その液体を再び火にかけ、水につけて湿らせていたランチョンマットを適度に絞っては、浸けていく。
時折まんべんなく掻き混ぜ温度が上がりすぎないように途中で火を止めたりしつつ30分。
ガスコンロの横に置いている脱水機で一旦取り出したランチョンマットを絞ってから、タライで水洗いし、再び脱水機にかけたら、また別のタライに用意してあったちょっと茶色っぽい液体にランチョンマットを浸ける。

「そろそろ飯かな」