森に抱かれて


「あれ?まだやってんの?」

二人の様子を見ながら、佐藤は二人に寄って、智子のメモを覗き込む。

「へ〜」

何『へ〜』って。

「しんちゃん、なかなか飲み込むが早いんだぜ」

「へ〜」

また。関心があるような、ないような言い方。
あっ、向こう行っちゃった。結局、関心ないんじゃん。

「謙太郎、一応ここの責任者はお前だからな」

「へ?」

冷蔵庫を開けようとした途端、声を掛けられ、佐藤はとぼけた顔で振り返る。