智子は前掛けを外して丁寧に畳む。 「よしっ、じゃ、片付けてこよ」 佐藤は表のドアから出て行く。 「…」 智子は洗い物をする手が動かなくなる。 …優しいのよ、ね。意地悪なとこもあるけど…。中里さんがあんなこと言うからだ。…もう、限界だ。もう、認めるしかない…。 私…、佐藤さんが好きだ。