森に抱かれて


「残念ながら、その通りです」

「でも、コーヒー入れるくらいなら出来るじゃない?あれなら簡単だし」

あれ?

男が指差す方を見ると、カウンターの端っこに、大きなフラスコを携えたガラスの装置が置いてある。

「なんですか?あれ」

「水だしコーヒーの器材だよ」

「水だしコーヒー?」

「ああ。あの上の部分に挽いたコーヒー豆入れといて、そのさらに上のガラスに水入れてポトポト落としていくと、12時間後には、一番下のでっかいガラスのフラスコにコーヒーが出来上がってるって仕組み」