森に抱かれて


拭いて拭いて拭いて…。もう何順目かわからなくなった頃、ドアが開く気配がする。

来たっ!!!

「いらっしゃいっ…」

「あ…、ごめん」

佐藤さん…。

テーブルに両手をついて、がっくり頭をうなだれる。

「そんなに、気落ちしなくても」

するでしょ。はぁ…。

ゆっくり顔を上げて、佐藤を見る。

「だってぇ、誰も来ないんですよぉ」

「レストラン止めて、2年ぐらい経つからね。そう簡単には来ないよ」