その女子が翔磨に、
「小倉君って彼女いるの?」
と聞いたんだ。
これだけは自信があった。
いくら話していなくても、私は翔磨の彼女だし。
別に言う必要がないから、美由希以外には話していないけど、私達は付き合ってるんだから。
「…いないよ」
でも、翔磨はこう言った。
…なんで?
悲しみを通り越して、怒りがこみ上げてきた。
「そうなんだー!じゃあ私、小倉君の彼女に立候補しちゃおっかな!」
「あははは…」
積極的な女子の言葉に、嫌とも言わず、ただただ笑っている翔磨。
…なにこれ。
ありえない。
私は、翔磨の彼女じゃないの…?
今日の朝、前向きに頑張ろうと決めた気持ちも、すぐに崩れ去った。
