「こなちゃん!次の時間どうする?」

「次の時間?何かあったっけ?」

「えー!忘れちゃったのー?修学旅行の班決めだよー!」

「あー、そっか!」


いつものように、美由希を含めた3人で私の席に来て、そう言われた。

そうだ、修学旅行の班決めをするんだった。

すっかり忘れてた。


5月に入ってすぐ、私達3年生は関西の方で二泊三日する。

まだ1ヶ月ぐらい後だけど、2年生の終わりから実行委員会を開いて、着々と準備を進めている。


高山中学校は、修学旅行が3年間で唯一の宿泊旅行だから、毎年とても手が込んでいるみたい。

新幹線やバスの中、ホテルでのレクリエーションなんかも、全員が楽しめるように、色んな工夫がされているとか。


だから、すっごくすっごく楽しみにしているんだけど、かなり不安なことがある。

班決め。

今からする、それしかない。


「あっ!チャイム鳴っちゃう!とりあえず、班は4人以内だから、この4人でいいよね?」

「そうだね。あとは、乗り物の座席とホテルだけど…」

「それは2人ペアだよね?どうしよっか…」


2人の会話を黙って聞く、私と美由希。


「どうする?」

って、ずっと言ってるけど、2人の顔にははっきり書いてある。


“私達2人がいい!美由希とこなちゃんで、ペアになってくれないかなぁ…”

と。