部活一色だった冬休みから、早1ヶ月半。

クラスのみんなと、残り少ない中学2年生を満喫中だ。


「こーちゃん!早く部活行こ!」

「あ、うん!」


満喫中とは言っても、ほとんどが部活なんだけどね。


来年のコンクールこそは、絶対絶対金賞!
そして県大会!!

そんな目標を部員全員が持ってて、先生もより一層気合いが入ってる。


今は卒業式の3年生退場の時に吹く曲を練習中なんだけど、このままじゃたぶん春休みも休みはないと思う。

私とかみんなみたいな、部活大好き人間じゃないと、続けられないぐらいの練習量だ。


「それにしても寒いねー!ホルンが冷たい!」

「うん!ほんと寒い!でも、まーちゃんはいいじゃん。帰りは寒くないでしょー?」

「…え?ど、どういうことかな?」

「今日も一緒に帰るんでしょー?2人でマフラーして、手、繋ぐんでしょー?あったかいじゃん」

「そ、そんなことしないよ!もう…からかうのやめてよー!」


まーちゃんは、顔を真っ赤にして照れながら怒る。

怖くも何ともない。
ただかわいいだけだから、ついついいじめちゃう。


からかう理由は一つしかない。

最近できたまーちゃんの彼氏、桜木のことだ。


冬休みの間にたくさんメールして、1月には2人で遊んだりもしたんだって。

そのおかげか、まーちゃんが勇気を出して告白したバレンタインデーは、めでたく2人の記念日になった。