君ともう一度~入れ替わってから知った気持ち~


まさか、こんなところで会えるなんて。

舞台袖で頭に描いていたことが、本当に起こるなんて。

嬉しすぎて思わずにやけそうになるのを、必死にこらえた。


「中本、小村!早く来なさい!」

「はい!すみません!」

「今行きます!」


今すぐにでも話をしたかったけど、先生に注意されちゃったから、「また後で」と2人に告げて、先生の元へと急いだ。


私達だけが使っているホールじゃないし、のんびり片付けをしてたら迷惑になるもんね。

どんな演奏をしたって、その後の態度で周りの目は、良くも悪くもなるし。

気をつけなきゃ!


楽器をケースにしまった後は、客席で他の団体の演奏を聴いた。

アンサンブルは夏のコンクールと違って、少人数だし色々な楽器編成があるから、勉強にもなるしおもしろい。


最後の団体の演奏が終わると、いよいよ結果発表。

グループの中で、一応リーダーとなる私は、みんなに見送られながら舞台袖に向かった。


演奏した順にリーダーが並んで、全員揃ったところでぞろぞろと舞台に入っていく。

あー、ドキドキする。
やばい。
足ふるえてきちゃった。


これまで感じてきたものとは、比べ物にならないくらい緊張してる。

スカートをぎゅっと握りしめて前を向くと、手を繋いでいるホルンのみんな、祈るように拝んでいる翔磨と桜木が見えた。


その姿に勇気をもらえた私は、私達がもらう表彰状に、一歩一歩近付いていった。